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文化

「小人物のライフ」ほか

#国楽の世界へ l 2022-05-09

国楽の世界へ

「小人物のライフ」ほか

三国志演義には、世の中を統治するという大きな志しを掲げた英雄と、彼らを助ける将軍などが登場します。武力と知恵を絞った戦い、その中で手を結んだり、裏切ったりする人々の姿が出てきます。百万以上の兵士を募集するほどの大きな規模のストーリーで、今でも人々の心を引き付け、映画やゲームとしても作られています。多くの登場人物の内、曹操は特別なキャラクターです。漢の後を継いで魏を立てる上で多大な役割をしたからです。偉人として称えられても良さそうですが、三国志演義では能力はあっても悪知恵が働き心が狭い人として描かれます。赤壁の戦いで数え切れないほどの兵士が命を落としている中、曹操は、自分だけ生き残るとして逃げ回ります。あの服装が曹操だと言われると服を脱ぎ捨て、ひげの長い人が曹操だと言われるとひげをむしり取って逃げたものです。今日の最初は、その様子を面白く構成した歌です。エスニックポップグループ、ロックの歌で、「小人物のライフ、소인배 라이프」という曲をお楽しみください。


三国志演義では、赤壁の戦いがとても重要な場面です。曹操は百万兵士を連れて、川を間に挟み、呉と対峙しています。川では船に乗って戦いますが、曹操の兵士は船に乗った経験がないだけでなく、船酔いまでしています。その弱点を見抜いた諸葛亮は、曹操が船を針金で結ぶように企み、曹操の船に向かって火の弓を飛ばしました。船は針金で縛られているので、逃げることもできません。そんな中、曹操は何人かの兵士と共に逃げてしまったのです。出場するときは勢いよく百万人の兵士を率いてきたのに、残った兵士は数人足らず、それさえもけが人ばかりです。いくら図々しい曹操だとしても、自分の置かれた状況を考えると哀れで、亡くなった兵士にも悪い気持ちになったでしょう。そのとき、どこからか鳥の鳴き声が聞こえてきます。曹操にはその鳴き声が、赤壁の川で亡くなった兵士の魂の声のように聴こえたようです。今度は、この内容を歌う、「赤壁の歌、鳥のタリョン、적벽가 새타령」という曲を、ソ・イチョルさんのコムンゴの演奏と歌でお楽しみください。


実際のところ、曹操は戦いで敗れずに済む可能性もありました。赤壁の戦いは、冬の北西風が吹く頃に起こりました。曹操は川の北側にいて、呉の国は川の南側にあります。本来であれば北の方から風が吹いてくるため、呉の方からの火の弓は、曹操のところまでは届かなかったはずです。ところが、諸葛亮が祭壇を築き天に祈りを捧げると、風の方向が変わり、南東風が吹き始めたのです。結局、曹操は火の弓によって敗れてしまいました。諸葛亮の能力を見た周瑜は、諸葛亮が今は味方だとしても、後には自分たちを攻撃するかも知れないと心配します。部下を送り諸葛亮を攻撃しようとしましたが、諸葛亮は予めそのようなことに備えていたようです。今日の最後は、この場面、「赤壁の歌のうち、趙雲が弓を射る場面、적벽가 중 자룡 활 쏘는 대목」という曲を、コ・チュンソクさんの歌でお楽しみください。趙雲は諸葛亮を船に乗せて逃げ、追いかけてくる周瑜の兵士が乗った船に弓を飛ばしました。すると、弓が帆柱に当たり、帆柱が折れてしまったとのことです。

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