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文化

「ゼチョン」ほか

#国楽の世界へ l 2022-04-04

国楽の世界へ

「ゼチョン」ほか

韓国のことわざのうち、「清明(チョンミョン)に死んでも寒食(ハンシク)に死んでも大きく変わりはない」というものがあります。清明は二十四節季のひとつで、空が次第に明るくなるという日です。春ののどかな天気が想像できます。この日は、陽暦の4月5日頃です。寒食は、寒いという漢字に食べると書き、冷たいご飯を食べるという意味の日です。昔は火を大事にしたので、火種を守るのも主婦の仕事のひとつでした。ところが、火には生命力があるとされ、年に一度、古い火種の代わりに新しい火種をもらって使ったのです。その日が、寒食です。新しい火種をもらうまで、しばらく火が使えない時間があったので、冷たいご飯を食べたのです。寒食は、昼が一番短いという冬至から105日目の日です。この日は、陽暦にすると4月5日、または、6日頃になります。清明と同じ日か、一日違いなので、「清明に死んでも寒食に死んでも大きく変わりはない」ということわざができたのです。寒食になると、春を迎え、先祖のお墓詣りに行ったものです。西道(ソド)の雑歌、「ゼチョン」という曲は、寒食の日に、夫のお墓で祭祀を行う女性を歌う曲です。今日の最初は、チ・ファジャさんの歌で、「ゼチョン」という曲です。


のどかな春の日、女性は夫のお墓を訪ね、心を込めて作った食事を並べます。お餅、お魚、果物、ナムル、ご飯とチゲのようなものを並べ、最後にはお酒を出します。歌には、多様なお酒の名前も出てくるんです。女性は、先に亡くなった夫を恨み、結局は泣いてしまいます。今の時代と比べ、昔は女性一人で生きるのがもっと大変だったんだと思います。お花が咲いて春風が吹く中、祭祀を行いお酒を飲むと、自ずと涙が出てきたでしょう。昔はこの時期になると、お花のチヂミを作って食べながら、歌と踊りを楽しむ遊びがありました。この日だけは女性もお酒を飲んで楽しむことができたそうです。今度は、お酒の歌を聞いてみましょう。モダン歌曲の歌で、伝統音楽をモダンなメロディーと内容に作り変えた歌、「お酒を勧める歌、권주가」という曲をお楽しみください。


最後にご紹介する曲も、お酒に関する歌です。春に眠ると書いて「春眠(チュンミョン)曲」という歌の中の主人公は、春のある日、朝寝坊をしました。窓を開けてみると、庭にはお花が満開し、蝶が飛び交っています。その景色を楽しみながらお酒を飲んでいると、一人で飲むのは面白くないと思ったようです。一緒にお酒を飲む女性を探しに出かけるという内容の歌なんです。今日の最後は、この歌を愛の歌に作り変えたものです。ラポーラーの歌と演奏で、「縁、연분」という曲をお楽しみください。春の日の景色とお酒、このような内容の歌を愛の歌に作り変えたものでした。男性の歌い手と女性の歌い手が、まるで語り合っているかのように歌っています。愛する人と一緒に歌うと良さそうな曲です。

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