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経済

「オミクロン株」の感染拡大が韓国経済に与える影響

#今週の経済の焦点 l 2021-12-06

ⓒ YONHAP News

新型コロナの新たな変異ウイルス「オミクロン株」の感染が世界各国に広がっています。韓国でも感染者が確認され、警戒が高まっています。

オミクロン株の大きな特徴は変異が多い点です。細胞に侵入するときに使う表面の突起「スパイクタンパク」の変異が30か所あまりに上ります。これら多数の変異により感染力を増すとともに、ワクチンや治療薬が効きにくくなった恐れがあります。オミクロン株の感染がデルタ株より早いスピードで広がれば、来年の世界経済の成長率見通しは、これまでの4.6%より0.4ポイント以上下がりかねないという見方も出ています。

「オミクロン株」の流行が世界経済に与える影響について様々な予想が飛び交うなか、アメリカのFRB=連邦準備制度理事会のパウエル議長はインフレ抑制に向けて量的緩和の縮小ペースの加速を議論すると述べ、市場で動揺が広がりました。また、アメリカ国債がデフォルト=債務不履行に陥ることへの懸念もくすぶっており、世界経済の先行き不透明感が増しています。

このところ、韓国の輸出はとても堅調でした。先月の韓国の輸出額は604億4000万ドルと、初めて600億ドルを超え、前の年の同じ期間に比べて32%も増えています。年間輸出額も過去最高になることが確実視されます。しかし、安心はできません。オミクロン株の感染拡大でロックダウン=都市封鎖に踏み切る国が増えた場合、韓国の輸出への影響が心配されます。

韓国銀行がことし目標としている年間の経済成長率は4.0%です。これを達成するには、10月から12月までの第4四半期の成長率が1.03%以上にならなければならず、そのためには、なんとしても消費の回復が必要です。しかし、新型コロナの感染拡大を受けて政府は3日、私的な集まりの人数制限など防疫強化措置を発表しました。こうした行動制限の強化により、消費が落ち込むのは必至です。物価上昇も心配です。11月の消費者物価の上昇率は3.7%に上っています。

「オミクロン株」が急速に広まり、新型コロナの影響から脱出し、日常を取り戻そうとしていた世界を再び緊張状態に追い込んでいます。先手を打つ大胆な対応で、この危機を乗り越えていく知恵が求められています。

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