川瀬和広 在韓日本大使館 広報文化院長とのインタビュー
2023-12-01
ⓒ YONHAP News
韓国では、今月1日から、新型コロナウイルスの感染拡大で導入した規制を段階的に緩和し、コロナとの共存を目指す「ウィズコロナ」への移行が始まりました。
飲食店は24時間の営業が可能になり、大人数での飲み会もワクチンを打っていれば可能になったほか、スポーツ観戦などでの入場制限も緩和されました。これを受けて、消費回復への期待が高まっています。消費者の心理も改善していて、経済状況に対する消費者の心理を総合的に示す消費者心理指数は「ウィズコロナ」を控えた10月 の時点で106.8で、前月から3ポイント上昇しました。BSI=企業の景況判断指数も10月になって上昇に転じ、企業や消費者の心理を表す景況感指数も上向いています。
輸出も堅調で、内需と輸出がともに拡大し、経済が再び活気を取り戻すことへの期待が高くなっていますが、まだ油断はできません。
韓国では、10月の消費者物価指数は前の年の同じ期間に比べて3.2%上昇し、9年9か月ぶりの高水準となっています。なかでも生活実感に近い生活物価指数は4.6%も上昇しています。物価が上がると、消費をしたくても躊躇してしまいます。ウイズコリアが始まったなか、物価上昇は消費回復を阻害しかねない最も大きな要因ということができます。
アメリカが新型コロナウイルスのもとでの景気対策として実施していた資産購入の縮小を発表したことや、中国の成長が鈍化していること、グローバルサプライチェーンの混乱など、経済を取り巻く環境は予断を許さない状況が続いています。
新型コロナウイルス禍前の日常生活に戻る道のりは、けっして平坦ではないかもしれません。韓国経済が底力を発揮し、コロナ禍前よりさらに活気付くことを期待したいと思います。
2023-12-01
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