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映画『ソウルメイト』

#成川彩の優雅なソウル生活 l 2024-02-01

玄海灘に立つ虹


〇本日ご紹介する映画は、ミン・ヨングン監督の『ソウルメイト』です。主演は、ドラマ『梨泰院クラス』で知られるキム・ダミと、チョン・ソニです。自由奔放なミソをキム・ダミが演じて、自由なダミに憧れるハウンをチョン・ソニが演じました。2人の少女の出会いから、大人になっていく過程でのすれ違い、そして和解。友情とも愛情ともとれるような描き方だったんですが、特に「同性愛」とカテゴライズしないのがいいなと思いました。

〇2人は1988年生まれという設定なのですが、映画の冒頭では現在の成人のミソが出てきます。ハウンが高校生のミソを描いた絵が公募展で大賞を受賞するのですが、名前以外の作家の情報がないということで、ギャラリー側がミソにハウンの連絡先を聞いてきます。ミソは知らないと答えるけども、ハウンの書いたブログがネット上で読めるようになっていて、それを読む限り、ハウンとミソは親友なんですね。親友なのに、連絡先を知らない?なんで?というところから始まります。
出会いは小学生の時、ミソがソウルから済州島に転校生としてやってきて、先生からハウンの隣の席に座るように言われるんですけど、かばんだけ置いて教室から飛び出してしまうやんちゃな女の子です。ハウン自身は保守的な性格なんですが、正反対のミソに惹かれて、2人はすぐに仲良くなります。ミソは母と2人暮らしですが、母の都合で転校を繰り返していて、母との関係はぎくしゃくしています。母が再びソウルに戻ることになっても、ミソは済州島に残り、ハウンとハウンの両親と家族のように過ごすようになります。


〇この映画はもともと『ソウルメイト 七月(チーユエ)と安生(アンシェン)』という中国映画が原作で、アカデミー賞国際長編映画賞にノミネートされた話題作でした。それを韓国でリメイクしたものです。原作も見てみたんですが、大筋は一緒だけども、違うところもけっこうあって、映画の冒頭、韓国版ではハウンの作品は絵でしたが、中国の原作ではオンライン小説でした。オンライン小説の作家と連絡が取りたいというところから始まるんですね。これは絵にして良かったなと思うのは、映画なので、視覚的に作品が見える方が伝わりやすですよね。もう一つは、猫の存在です。ミソとハウンは子猫を拾ってきて一緒に飼い始めるんですが、中国の原作には猫は出てきませんでした。この猫にミソが「オンマ(お母さん)」という名前を付けるのも、実の母の愛情を感じられないミソの気持ちが表れているようでした。この猫のオンマの絵を小学生の2人が描くんですが、ハウンは写真みたいな写実的な絵を描く一方、ミソはピカソみたいな絵で、猫の体の外側に猫の心を描くような型破りな性格がよく出ていました。

〇最近よく済州島がドラマの舞台になって出てくるんですが、やっぱり風景が与える情感みたいなものってありますよね。『ソウルメイト』も、輝いていた青春時代の背景として、済州島の風景がぴったりだったんですが、だからこそ、その後、ミソがソウルへ行ってからの寂しさが際立つという対比がはっきり見えました。
原作と韓国版の共通点として、2人のすれ違いのきっかけになる男性の登場があります。高校生になって、ハウンは好きな人ができたことをミソに告げます。ピョン・ウソク演じるジヌですが、ミソはハウンの恋を応援していましたが、ジヌはミソにも気があることが分かり、ミソはハウンとジヌを避けるように高校を中退して済州を離れ、ソウルへ行きます。


〇ソウルのミソと、済州のハウンの間でしばらくは手紙のやりとりが続くんですが、ミソは現実には辛い日々を送っていても、そういうことは手紙には書かず、実家暮らしで大学に進学するハウンとの間にだんだん溝ができてきます。久しぶりの再会で、その溝が感じられるのは、2人で釜山に遊びに行くんですが、ハウンは宿泊も食事もお金をかけていい所で、と考えるのが、ミソはハウンが宿泊費を出してくれたら、自分が食事代は出したいと思うけども、ハウンが高級なレストランに連れて行くので払えない。2人はけんかになります。無邪気に遊べた済州の青春時代とは違うんですね。その後の部分はネタバレになるので控えますけども、個人的には、希望を感じるエンディングでした。

〇ソウルメイトってそもそも何かなと思って改めて辞書的意味を調べたんですけど、「魂の伴侶」。深い絆や理解を共有する人。私も中学生の頃からの親友がいて、当時は高知だったので、その後私が神戸大学に進んで、韓国に留学したりしてなかなか頻繁には会えなくなったけども、振り返ってみると、辛い時に手紙をくれたり、ずっとつながってる感はあって、私にとってのソウルメイトなんだろうなと思います。人によってはソウルメイトが異性のこともあれば、むしろ同性のことが多いんじゃないかなという気がします。大切な誰かを思い浮かべながら見る、そういう映画でした。日本では2月23日に公開が決まっているそうなので、ぜひ、ご覧ください。

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