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「ユッチャベギ」ほか

#国楽の世界へ l 2023-03-21

国楽の世界へ

「ユッチャベギ」ほか

「ユッチャベギ」という音楽は、韓国の南部、全羅道(チョンラド)地方を代表する民謡のひとつです。「ユッチャベギ」が歌えないと全羅道の者ではないという言葉もあるほどです。それだけでなく、全羅道の民謡の共通の特徴を、「ユッチャベギトリ」とも言うんです。「ユッチャベギ」が正確にどういう意味なのかは確かでありません。¬6拍をひとつの拍子にして歌うため、六のユックをつけて、「ユッチャベギ」になったという説明がよく知られています。とてもゆっくりのスピードで、一、二、三を二度繰り返してひとつの拍子を作ります。もともと農夫が働くとき歌っていたのを、芸人の集団サダンペが歌い始め、洗練した歌になったといいます。ユッチャベギの後に、速い拍子のユッチャベギを歌い、その後、もっと速い歌を続けて歌うこともあります。今日の最初は、「ユッチャベギ」から「ソウルサムガクサン」という曲までをひとつの音楽に作り変え、西洋の弦楽器を用いたオーケストラの伴奏に合わせて歌う曲です。


全羅道地方を代表する民謡として「ユッチャベギ」という曲をご紹介いたしましたが、似たような音楽に、「フンタリョン」という曲があります。もともとは、「フン」という歌詞から「フンタリョン」と呼ばれましたが、歌詞は発音しやすい内容に変わりました。「ユッチャベギ」も「フンタリョン」もとてもゆっくりで、別れの悲しみを歌う歌詞が多く、初めて聴くと区別がつかないこともあるようです。「ユッチャベギ」は6拍がひとつの拍子ですが、「フンタリョン」は12拍のチュンモリという拍子で歌います。全ては夢で、みんな夢の中にいて、君も僕も夢の中で、夢から目覚めるとまた夢で、夢の中で生きて、夢の中で亡くなる人生だという内容の歌詞です。ある程度人生を生きてみてこそ悟れることでしょう。リズムに合わせた歌で聴くと、どんな気持ちなのか理解できるかも知れません。


全羅道地方で伝わる民謡を、南道(ナンド)の民謡といいます。伝統的な南道の民謡は、悲しく重みのある歌が多いようです。今度は、「東の海」という曲です。1950年代と60年代、女性による国劇が人気を博しました。もともと一人の人が歌うパンソリを、数人の人が役割を分けて担当するものです。女性国劇は、俳優が女性の歌い手だけで成り立っていて、男性の役割まで担当します。もともとの伝統芸能パンソリは五つのストーリーを背景とするため、国劇では歴史や伝説をテーマにした新しい構成の作品も多く作られました。自ずと新しい歌もたくさん必要になったといいます。最後にご紹介する曲も、その頃に作られた音楽のひとつです。当時、南道の歌い方の新しい民謡が多く作られました。その頃に作られた音楽は、伝統的な民謡より明るく軽快な曲が多かったようです。

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